奄美大島4日間の取材旅。
今年1月取材させていただいた「ゆずり葉の郷」さんに再び訪問。
元ひきこもりのKくんと出会った。
kくんは、小さい頃から父親の虐待を受け、両親から閉じ込められる形でひきこもりとなり、6年間過ごした。
暗闇の中をずっと彷徨い続け
「自分が死のうか」「親を殺そうか」まで考え絶望を感じていたところ、希望となる「ゆずり葉の郷」に迎えられた。
そんなKくんの物語です。
「言葉が苦手な言葉屋さん」長崎まーくん
10代。社会のルールを守れず、人間関係うまくつくれず。仕事はクビ。クビ。クビ。
20歳。社会に馴染めずホームレス。
個人事業で居酒屋経営、営業、ホスト、カウンセラー、イベンター、コンサルタントと数々の仕事を経験。借金1000万以上の返済。
35歳の頃に精神科で発達障がいグレーゾーンと診断される。
まーくん3か条①否定しない!あなたの全て「いいね」②怒らない。毎日ご機嫌♪③「感謝」「謙虚」「思いやり」大事!
【目次】タップして飛べるよ
どん底からの生還!元ひきこもりKくんインタビューin奄美大島
成田から飛行機で2時間ちょい。鹿児島県の奄美大島にやってきた。
旅をしながら取材するためだ。
今日の主役は、Kくん。
「いじめ」
「虐待」
「6年のひきこもり」
を経て、希望となる奄美大島にやってきた人物だ。
どうぞ、Kくんの物語をご堪能あれ。
Kくんと初顔合わせ
初顔合わせの日。
ゆずり葉の郷2階のソファーでまったりしながらKくんの帰りを待つ。21時を過ぎ、夜間の学校から帰ってきた煌毅くん。
初めての私に対して「こんばんは!」と、はじける笑顔で挨拶をしてきてくれた。
虐待を受け、6年間も引きこもりをしていた過去を感じさせないほど、笑顔がキラキラしていた。
最初の印象としては、
- 人当たりが良い
- 気がきく
- 笑顔がさわやか
がっちりと私の心を鷲掴みされた。
Kくんの生い立ち~引きこもりになるまで…
3歳の時から父親の虐待を受け、恐怖心をうえつけられたKくんは現在15歳になる。
自衛隊の父をもつKくんは、いつの頃からか父親に対して
「殺したい」
と考えるようになり。
父親もKくんに対して
「死ねばいい」
と、お互いが憎しみ合う関係性ができてしまった。
北海道生まれの青森育ち。引きこもりを経験した後、奄美大島「ゆずり葉の郷」へ。
学校に通ってた頃は、先生や同級生からいじめを受け、家では父親だけでなく母親からもひどい扱いを受ける。
Kくんは居場所を失ってしまったのだ。
小学校4年生の頃、父親の暴力が酷すぎて、自己防衛のため台所で包丁をもって抵抗をした。
そのことがきっかけで、親から閉じ込められる形で引きこもりとなった。
自宅押し入れに閉じ込められ、怖くて出ることも出来ない。
とくに最初の1か月は壮絶だったらしい。
1ヶ月間もの間
「飲まず食わず」
「睡眠もとらない」
「お風呂も入らない」
「トイレもたまにしか行かない」
といった、お坊さんの修行よりもきついであろう生活を経験した。
…そこから6年間ものひきこもり生活が続いた。
6年間のひきこもりの間は、携帯もないしすることがない… ただただ天井を見上げぼーっとて何もしない時間も多かったのだとか。
Kくんに救いの手が! 絶望から希望となる"奄美大島"へ
髪は6年間切らずで喉下まで伸び、後ろ髪も結わかずに前髪を垂らしている状態。「親の顔を見たくない!」という理由もあって髪を前に垂らすも周りからは貞子と呼ばれる。
時は令和4年5月。
暗い、暗い闇の中にいたKくんに救いの手が差し伸べられることになった!
Kくんは、母親に対する暴力で警察が出動するまでの事件となった。
このことをきっかけに児童相談所に一時保護されるも、施設側がリスクを考え入所を拒否。
3か月で退所することになった。
その後、児童相談所の所長が「ゆずり葉の郷」三浦さんに相談。
「Kくんを受け入れてほしい」
と直接お願いしにきたのだ。
そこで三浦さんの頭の中でよぎったのは"佐賀県で起きた親を殺害した事件"
また同じことが起きてしまってはまずい…と、受け入れる準備に入ったのだ。
とはいえ、こうきくんの心と体が動かなければ「ゆずり葉の郷」に入所することができない。
三浦さんはKくんを説得しに出向いた。
前髪をたらし、顔も見えないKくんに対して優しく諭す。
Kくんのありのままを受け入れたことで、閉ざされた心が少しづつ開いていった。
そして
「ゆずり葉の郷」の正式な入所が決まった。
…というわけだ。
Kくんの現在
身長183cm。ひきこもり時代は食べることが少なく、体重は35kgにまで落ちていた。今では60kgまで回復した。
183cmの標準体重は73.7kgだから、60kgでもやせ型である
Kくんは「障がい2級」「解離性トラウマ」「ADHD」「自閉症スペクトラム」の特性をもっている自分も受け入れ、「世界一強い人と戦いたい!」と日々筋トレにはげみ元気にたくましく育っている。
現在はいじめもなくなり「人生が楽しい」と、笑顔で語ってくれた。
「辛い気持ちはなくなったの?」
の質問に対しては、精神がマヒして痛みを感じなくなった。苦しみ自体が平気になったのだとか…
夜間の学校に行きながらバイトもしている。
内容は、ダンボールを使った軽作業。
「仕事は楽しい?」
と、聞くと
「仕事は役に立ってるから良い」
と前向きな返事が返ってきた。
煌毅くんが思い描く未来
Kくんに今後のことを聞いてみた。
まーくん「何か将来やりたいことはある?夢は?」
Kくん「楽園を作りたい」
まだ具体的な言葉にはなっていないが、一番近い言葉で言うと「楽園」なのだとか。
さらに言葉を深く掘っていくとたくさんワードが出てきた。
- 魂の楽園(じいちゃんばあちゃんの家みたいな)
- 平等で自由な場所
- 自然と共存するべき。存在してるだけで自由
どうやら掘り下げて聞いてみると、場所としての楽園ではなく、心の状態に近いのかなと…
さらにKくんは
「仕事としてではなく、友達とかの相談を受ける存在になりたい」
とも話していた。
今回の取材でKくんの純粋な気持ちをたっぷりと感じることができた。
三浦さんも太鼓判を押すKくん。
彼ならきっと夢を実現できるし、その人望から人も集まってくるであろう!と確信した。
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人はみんな違って良い♪
学校に行くと、みんなが同じ答え。みんなと足並みそろえる。
それって生きづらくないか??
だってみんな違うんだぜ?
もっと、
人と違うことで「いいね」されて
いじめがなくて
自分らしさで輝く人たちがあふれる世界。
つくりたい!
言葉が苦手だったおかげで、言葉と向き合えた。
言葉が苦手だったおかげで、言葉の大切さに気づけた。
言葉で「生きづらい」を失くしたい。もっと自由に。もっと自分らしく。否定のない世界へ